希望を植えよう vol.31
〜旅立ちの時〜

いくつもの旅立ちを見送っただろうラリベラの老人
春、固くなっていた木の芽も膨らみ、虫も動き出し、生きとし生けるもの目覚めの時。私たちにとっても入学や入社の時期で、新しい旅立ちの時だ。私は4月が誕生月のせいか、いろんなものが活気づくこの季節が大好きだ。体の細胞もパキパキ目覚め出し、何か新しいことを始めたくなる。
さて4月のエチオピアはというと、9月半ばに新年がスタートし、ちょうど1年の中ごろ。少雨期に当たり、わずかに雨も降るが、日本のように花が咲き出すこともなく、ほとんど乾いた季節だ。
ところで、エチオピアの「旅立ち」はかなりユニークだ。日本では転居や転勤、あるいは遠征や海外旅行などでも、その土地を離れる人があれば、送別会を催し、いくばくかのお餞別を送り、留まる側が送り出してやるものだ。しかしエチオピアは逆で、その土地を出ていく者や海外旅行に行く者が、知人を招いてさよならパーティを開くのだ。
フー太郎の歴代の駐在員も、その交替のときには毎回レストランを貸し切り、お世話になった方々を数十人もお招きし、飲ませたり食べさせたり随分と散財しているようだ。日本とは正反対のその習慣に驚き、私はエチオピア人にその理由を聞いてみたことがある。すると、「旅に出る者はお金を持っているから」という答えだった。「さよならパーティ」というより、ある種「お披露目」に近いものを感じるが、旅の準備で忙殺される者が、このパーティに半端じゃなく懐を痛めることになるのも気の毒なような気もする。
4〜5月に3週間ほど、フー太郎の森基金のエチオピア事務所のスタッフシサイが日本の研修にやってくる。シサイにとっては初めての海外旅行だし、村で初めての日本訪問になるから、さぞや盛大なさよならパーティになることだろう。
そんなわけで、シサイは日本で緑化や溜池、新規事業のドライフードなどについて勉強をしていく予定だ。研修の合間にはできるだけ各地で支援者の皆さまと触れ合える時間を持ちたいと考えている。もしエチオピアの話を聞きたい方があれば、フー太郎の森基金の事務局(電話0244-38-7820)までご連絡ください。もちろん通訳がつくので言葉の問題はありません。
- ●新妻香織(にいつま・かおり)プロフィール
- 雑誌編集者を経て、1990年アフリカのケニアに移住。アフリカ28ヵ国を旅する。95年帰国。アフリカ横断記「楽園に帰ろう」でノンフィクションの文学賞「蓮如賞」優秀作受賞。98年フー太郎の森基金設立。このほか環境保護団体「はぜっ子倶楽部」「松川浦ガイドブック編集室」の代表として、地元での環境問題に取り組んでいる。1960年福島県生まれ、相馬市在住。

編Kom的 「私の愛読書」
「わたし磨きの名言集」 世界文化社 |
300万部を超える大ベストセラー「女性の品格」
でおなじみ・坂東眞理子(著)。
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