希望を植えよう vol.33
〜エチオピア人が日本にやってきた〜

5月20日から3週間、フー太郎の森基金のエチオピア人スタッフが日本に来て研修中だ。彼シサイは日本人駐在員と一緒にフー太郎のエチオピアでの全事業をコントロールしている。今回の研修は机上で学ぶことをあえて避け(実はこれはどこででも出来る)日本の実践の現場をいろいろ視察させている。
こうして全国を歩いてわかったことは、戦中・戦後日本の山も丸裸だったということだ。その頃は今のエチオピア同様、雨になれば土石流を洪水に悩まされ、また雨が降らなければ川は干上がった。
これを30〜40年にして緑の森に回復できたのは、国民運動としての拡大造林計画だった。しかし輸入材の増加と共に日本の森は見捨てられ、今や持ち主もわからず管理されない幽霊森が全国を覆い、私達は再び土石流や洪水の危険にさらされている。間伐や除伐をして健全な森にしていくことが急務だ。切らなければならないというエチオピアには全くうらやましい話なのだ。
シサイは森だけではなく、リサイクル、農業、観光などについても勉強させられている。日本で見たものがぞのままエチオピアに持込めるとは到底考えがたい。日本流の方法論やアイディア、思想などを学んでいき、エチオピアにある素材とやり方で実践できるようアレンジし直していくことが彼に与えられた宿題だ。そうして自分たちの国のために彼が働いてくれることを研修に関わった皆が願っている。
- ●新妻香織(にいつま・かおり)プロフィール
- 雑誌編集者を経て、1990年アフリカのケニアに移住。アフリカ大陸を陸路で縦断・横断して、28カ国を旅し95年帰国。アフリカ横断記「楽園に帰ろう」でノンフィクションの文学賞「蓮如賞」優秀作受賞。98年フー太郎の森基金設立。他に、環境保護団体「はぜっ子倶楽部」「松川浦ガイドブック編集室」の代表として、地元での環境問題に取り組んでいる。「よみがえれフー太郎の森―エチオピアで希望を植えよう」(東京新聞出版局)絶賛発売中。1960年福島県生まれ、相馬市在住。
「私の愛読書」
「1Q84 BOOK3」 新潮社 |
「青豆」は死ななかった。どこからか、名前を呼ばれた気がして死ななかった。 原町区在住 伏見市子 |
