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小高で諦めない農業、その先へ。
〜泉 景子(いずみ けいこ)さん〜


泉 景子さん

小高区蛯沢のビニールハウスの前で出迎えてくれた泉さんは、驚くほど華奢。現在4つのハウスでおよそ1万玉の椎茸の菌床をほぼ一人で栽培しているといいます。

編:いつから椎茸を作ってるのですか?

子供の頃から祖父母の田畑を手伝っていて、いつかは農業で身を立てたい気持ちはありました。もともと椎茸栽培の盛んな土地柄で、地域の農家が重い原木菌床から人工菌床へ切り替わるのを見て小柄な私でも扱えるかもしれないと思い、30歳を前に近所の椎茸農家に頼み込んで2年かけて技術を習得しました。念願叶って自立した7ヶ月後に大震災に襲われました。

編:小高区は平成28年7月までの5年間避難指示区域になってしまいましたよね。その間は?

原町区に避難して父の重機会社で勤めながら飲食店のアルバイトをしていました。周囲から「小高で農業はもう無理」と言われましたが、夢を諦めるのは絶対に嫌でしたから、再開に向けて着々と準備を進めました。消費者に安心して食べてもらえる椎茸を作るために除染業務従事者の資格を取り、除染も兼ねて一度ハウスを撤去して敷地を造成、28年の春に新しいハウスを建てました。それからは原町から椎茸の世話に通う日々。栽培した椎茸から県のモニタリング検査で放射性物質は検出されず、安全が確認された時はホッとしました。避難指示解除一ヶ月前に出荷が再開出来た時は嬉しかったですね。

編:大きなハウスに沢山の菌床が並んでいますが、これを一人で管理するのは大変では?

2棟目からのハウスは水撒きと空調の設備をつけましたが、椎茸は数時間単位で成長するので毎日休み無しです。それでも農業が出来なかった5年3ヶ月の悔しさを思えば苦にならないです。

編:泉さんの椎茸には随分目立つステッカーが貼ってますね。

「ふくしまプライド。」ですね。おかげさまで福島県がお勧めする農作物の一つに選ばれました。じわじわとファンも付いて、東京でも6店舗に直接卸しています。「福島の泉さんの椎茸」とメニューに出して頂いているお店もあります。昨年秋には東京で出荷している県産品の中で売上1位になりました。

編:先日、私も食べてみました。生椎茸は肉厚の程よい食感で美味しかったし、乾燥椎茸で作った白菜鍋は格別でしたよ

。 ありがとうございます。次の目標は農林水産大臣賞。何年かかっても諦めないで、これからも消費者に愛される良質な椎茸を育てていきます。


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