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相双をタマネギの一大産地に!野馬追の新しい名物を目指す
〜豊福ファーム代表 豊田雅夫さん〜


     豊田雅夫さん        タマネギ畑

 南相馬市原町区のホテル前駐車場。鮮やかな黄色いキッチンカーで「野馬土手カレー」を販売している豊田さんにでお話を伺いました。

編:以前は東京で農業経営コンサルタントのお仕事をされていたとか。

 震災直後に南相馬市の土地改良区から依頼されて復興アドバイザーとしてこちらに参りました。どうしたら浜通りの農業が復興出来るかを考えて、タマネギは放射性物質の移行係数が極めて低く(水稲の100分の1未満)大規模機械化農業が可能であること、さらに北海道と本州の産地間の収穫ピークに谷間があることから、タマネギの産地化を提案しました。3年間の試験栽培を経てこれから本格的に栽培面積を広げようとしていた時、タマネギ試験栽培の中心的な農家が、営農再開で余力がなくなったことから、タマネギの生産をやめる事になりました。かなり残念でしたが、そこで新たな気持ちが芽生えました。タマネギ産地化で農業復興の実現、という理想を自分自身が実現させたかったのです。実はそれまで土いじりさえしたことが無かったのですが、1年かけて北海道と長崎に研修に行き、タマネギ生産を学び直してから南相馬に移住して作付けを開始。今までアドバイスをしていた農家の方から栽培方法の相談や農地斡旋や機械設備の貸し出しなどの協力を得て、2017年には10トンのタマネギを県内の市場に出荷しました。現在は7haの作付けをしており、将来的には15haまで拡大を目指しています。南相馬の試験栽培をきっかけに、双葉郡でのタマネギ産地化の取組みも進んでおり、相双地域全体がタマネギの一大産地になっていくのが理想です

編:カレーを売ろうと思ったきっかけは?

 アドバイザーをしていた時期、農産物の6次化を視野に入れて地元の文化と歴史を学び、相馬野馬追を知りました。一昨年、ようやく実際の野馬追を観戦して感動しましたが、観戦時に食べる弁当にご当地らしさがあれば良いなと思いました。博物館で展示されていた江戸時代に築かれた「野馬土手」にヒントを得て、ご飯で築いた土手に和風のカレー、そして真ん中にスープで煮込まれた丸ごとのタマネギ。地元ホテル・ラフイーヌの渡辺光壮シェフに料理監修をして頂き、パッケージは有名なアニメーターの羽山淳一さんに騎馬武者を描いて頂きました。南相馬市博物館のご協力で野馬追の屏風絵をカレーの帯につけ、野馬追の世界観を伝えたいと思いました。普段はラフィーヌさんを中心に開店していますが、野馬追期間中は開催会場にお邪魔します。たくさんの方に「相双といえば美味しいタマネギ!」と覚えて頂けたら嬉しいですね。



野馬土手カレー(税込み価格)
総大将(大)800円/軍師(中)600円/御小人(小)500円


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