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守った船と共に、富岡の海で生きていく
釣り船長栄丸 船長 石井 宏和さん


    石井 宏和さん         長栄丸

 今年の7月に富岡漁港で釣り船の操業を再開した石井さん。取材した日も定員一杯の14人を乗せて帰港したところにお邪魔してお話を伺いました。

編:今日の釣果は如何でしたか。

 釣り初挑戦の方が最大82cmのヒラメの他、大型ヒラメ多数、マダイ、メバル、アイナメ、ソイ、ホウボウ、サワラ、イナダなど、今回関東から泊りがけでいらした団体のお客様も喜んで帰られたと思います。
 福島の海が豊かで大物が釣れると釣りファンから口コミで広がり注目されているようです。8月の始めには女性やお子さんも参加されて、小学生が80センチ超えのヒラメを釣り上げていました。

編:再開前はどうされていましたか?

 祖父の代から漁師で、私が2004年から遊漁船(釣り船)を始めました。大地震が来た時は港に居て、真っ先に家族の安否を確認してから船を沖に出して難を逃れましたが、その間に祖父と1歳の娘、家も津波にさらわれ、娘はまだ帰ってきていません。海に関わる事が嫌になり、1年以上船から遠ざかった時期もありましたが、海の瓦礫撤去作業などで船の操縦席にいると、自然に落ち着く自分に気がつき、「海に生かされてきた自分」から「これからも海で生きていきたい」と気持ちは固まっていきました。それから数年、海洋調査や試験操業に協力し、2017年からは避難先のいわき市久之浜で釣り船業も再開させました。

編:故郷の富岡で釣り船を再スタートさせた時の気持ちは。

 国や行政、東京電力に頼らない海洋調査に20回以上協力してきた結果、福島の海も魚も安全である事は、かなり早い段階で解っていました。「再開しない」事は「福島の魚はまだ安全ではない」と言っているに等しい。ならば再開しようと決めました。県の内外からお客様に来ていただいていますが、まだ震災の爪痕残る富岡の様子を見たり、海と魚の放射性物質について正しいありのままの説明を聞きながら楽しく釣り、その体験を周りに語っていただく事から風評被害は無くなっていくのではと考えています。

編:これからの福島の海について。

 8年も漁を休んだ福島の海は資源が回復し、大きな魚も増えました。だからと言って乱獲せず、制限を設けて食べる分だけ釣って次世代へ資源を受け継いでいく釣りを行っています。



釣り船長栄丸
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