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広野の「綺麗」なバナナと国産コーヒーで、福島の「今」を伝えたい
〜株式会社広野町振興公社 代表取締役社長 中津弘文さん〜

中津弘文さん

 双葉郡広野町の「二ツ沼総合公園」北側にある「トロピカルフルーツミュージアム」でバナナを定植してまもなく3年目。収穫されたバナナは毎週土日に販売され、毎回完売になる人気。他にパイナップルやパパイヤも栽培し、今年からコーヒー豆の定植もはじめました。ミュージアムを運営している広野町振興公社の代表である中津さんに、バナナ栽培のきっかけや、未来の展開を伺いました。

編:広野町といえばみかんが採れる程の温暖な気候というイメージがありますが、バナナのような熱帯植物も育つのですか?

 いいえ、通常のバナナの苗はそのままでは日本での栽培は難しいのです。岡山県の農業法人が開発した「凍結解凍覚醒法」という特殊な技術で、バナナの苗に氷河期を疑似体験をさせて、耐寒性を向上させた苗で栽培をしています。過酷な環境を体験した苗が美味しい実をつけるという製法に、原発事故によって全町民が避難した私達双薬郡の境遇を重ね合わ せ、「美味しい実=明るい未来」をつかみたいとの想いと、様々な技術と設備協力もあって栽培に着手しました。国産で無農薬なので皮にも渋みが出ず、まるごと食べられるバナナです。

編:広野産バナナの名前「綺麗」は正式な名前ではないとか。

 正式名称は「朝陽に輝く水平線がとても綺麗なみかんの丘のある町のバナナ」です。350通を超える公募から選ばれた名前で、「綺麗」は愛称です。

編:今年はコーヒー豆の栽培にも挑戦して、順調に育っていますね。

 意外にもコーヒー豆は直射日光が苦手。背の高いバナナと一緒に植えることで日陰を作り、更にハウスでも日光を調節しています。全国でも珍しい「国産コーヒー豆」という希少性で話題を呼ぶ事で、たくさんの人に広野町、そして双葉郡、もっと言えば福島県に来ていただきたい。「広野町のバナナとコーヒー」は小さな点でしかありませんが、他の自治体の魅力的な場所や物と繋がりあって「福島県は元気です」という姿を全国の方々に見せていきたいです。

編:この秋には館内に「フルーツパーラーひろの」がオ—プンする予定だとか。

 二ツ沼公園内のカフェレストランでも提供している「綺麗」のバナナジュースの他、栽培した果物を使ったジュースやスイーツ、コーヒーが楽しめる設備を、10月中旬のオープンに向けて準備中です。ぜひ「広野産」を味わいに来てください。

広野町振興公社「トロピカルフルーツミュージアム」
TEL : 0240-23-7704
https://www.hirono-kousha.com/kirei/



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