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南相馬で鍛えたロボットが、人々の暮らしを支える未来をつくる。
〜南相馬市 福島ロボットテストフィールド〜

 南相馬市原町区萱浜にある福島ロボットテストフィールド(以下ロボテス)は、陸・海・空で活躍するロボットを様々な条件で実験する為の施設です。東京ディズニーランドの面積に匹敵するおよそ50haの敷地内に無人航空機エリア、インフラ点検・災害対応エリアと水中・水上ロボットエリア、そしてロボットを研究開発する企業や団体が入居する開発基盤エリアから成り、他に浪江町に長距離飛行試験を可能とする滑走路があります。この施設を運営するのは「福島イノベーション・コースト構想推進機構」。技術部・技術企画課の中村泰拓さんにお話を伺いました。

編:今回お邪魔したのはインフラ点検・災害対応エリアの試験用プラントですね。1階フロアが2つに分かれていて同じ設備が同じレイアウトで設置されていますね。

 普段の実験や操縦訓練に加えて、ロボット競技会、いわゆるロボコンで2つのチームが同時に競える環境になっています。福島県と愛知県で開催のWRS(ワールドロボットサミット)2020が新型コロナウイルスの影響で延期になりましたが、福島県の競技会場はこのロボテスなので、2021年は是非とも開催を期待しています。WRSで行われるWRC(ワールドロボットチャレンジ)の4つのカテゴリーの中で、福島会場では「インフラ・災害カテゴリー」の競技会が行われます。災害で命を失わないために、安全で安心して暮らせる社会を目ざす事をテーマに、生産設備や機材の点検の他、災害発生時を想定した調査や復旧対応をこなすロボットが世界中からエントリーされ、最先端の技術が披露される予定です。
 競技種目は「プラント災害予防チャレンジ」「トンネル事故災害対応・復旧チャレンジ」「災害対応標準性能評価チャレンジ」の3種目。中でもトンネル災害に対応する競技は世界初となります。

編:震災と原発事故を経験した福島県ならではの視点が生きる競技と言えそうですね。現在ロボテスの研究棟には何社の企業・団体が入居しているのですか?

12月現在18社2団体(会津大学と東北大学)です。研究対象も空飛ぶクルマやドローン、自動走行車、ロボットも災害対応や建設機械、教育用AIなど多種多様ですね。ここで研究基盤を築いて市内に事業所を開設し、卒業していく企業も出始めました。

編:2020年の夏に行われた見学会や、秋のコスプレイベントも大盛況だったとお聞きしました。

見学会で実際にロボットのデモやプログラミング等を体験して頂いたり、コスプレイベントの様子を参加者に「#ロボットテストフィールド」でSNS投稿して頂いた事で全国的な認知度アップに繋がりました。2021年はWRSで更に世界的な注目を集めそうです

■福島ロボットテストフィールド
福島県南相馬市原町区萱浜字新赤沼83
見学無料 ※申込みは2週間前まで
問い合せ先 TEL:0244-25-2473
https://www.fipo.or.jp/robot/



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