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passion
薔薇で富岡を一年中、花あふれる町に!
〜(株)夜の森ローズガーデン 山本育男さん・智子さん〜

左から末松優さん、山本さんご夫妻、息子さんの修平さん、社員の遠藤正史さん

 富岡町で有名な夜の森の桜並木から西へおよそ700メートルの所に建てられた栽培施設。ここではおよそ5品種6600本のバラが育てられています。春の最盛期を迎えた4月、(株)夜の森ローズガーデンの山本さん夫妻にお話を伺いました。

編:バラの栽培を始めたきっかけは?

 私達は富岡町の避難指示解除前、2016年11月の準備宿泊が始まってすぐに町に戻りました。まだ住民の帰還が進んでいなかった2018年、富岡復興ソーラーの遠藤陽子さんから「町の農業再生の一環としてバラを作ってみませんか」とお話をいただきました。創立メンバーは稲作か畜産の農家で、花については全くの素人でしたが、宮城県から栃木県、広島県など1年かけて何ヶ所もの見学と指導を受け、東京の大田花市場では「バラの生産農家が減っているので作ってくれるなら助かります」とのお話を聞いて「やってみよう」と気持ちが動きました

編:富岡町のキャッチフレーズは「花と緑あふれる町」でしたね。

 夜の森の桜とツツジが有名ですが、そこにバラを仲間にしたいと思いました。2019年に地元の有志で会社を立ち上げ、昨年11月に田んぼだった所に約千㎡の施設を建てて県内初の水耕栽培にチャレンジ。埼玉県のバラ栽培専門家、末松優さんからバラを効率的に収穫する為の「アーチング」という栽培方を学び、技術指導を定期的に受けながら品質を高めています。12月の植え付け作業には社員とその家族、近隣の住民のみなさんにも協力いただきました。

クリスマスには「ここでバラを作ります」というPRを兼ねて他の産地から仕入れたバラの販売会を開催しました。「富岡町でバラが買えるなんて嬉しい!」と花束を抱える住民の方々の笑顔に励まされ、頑張った甲斐あって3月下旬には、いわき中央生花市場へ本格出荷が実現しました。現在栽培している品種は真紅のレッドエレガンス、中がピンクで外側が薄緑のスイートアヴァランチェ、黄色いゴールドラッシュ、オレンジ色のマドリード、オレンジピンクのケンジントンガーデンで、直売もしています。

編:気軽に「バラを買いに富岡町へ」訪れるのも素敵ですね。

 バラのハウスの近くでは、息子の山本修平が東北大大学院の農学研究科作物学研究室に在籍していた事がご縁で、昨年の11月から大麦の試験栽培が始まりました。町内初の富岡産大麦の地ビール醸造に挑戦し、8月の完成を目指しているそうです。将来的にはハウスの周りにもバラを植えて、花を眺めながら地ビールも楽しめる町の憩いの場所になったらいいですね。

■(株)夜の森ローズガーデン
福島県双葉郡富岡町上手岡字下千里1136
(常磐高速道 富岡ICより車で5分)
TEL 090-1440-1136
見学は事前にお問合せください
※12:00~13:00の見学はご遠慮ください
https://r.goope.jp/yonomorirose/



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