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passion
「ここにしかない牧場」を葛尾村ではじめよう。
〜株式会社かつらおファーム かつらおヤギ広場 がらがらどん〜

 

常磐自動車道を浪江ICで降りて西へ車で40分。葛尾村復興交流館あぜりあから西へ5キロ進んだ先、移ケ岳を背に広がる放牧地でのんびりと過ごすヤギ達が見えます。今年の5月にオープンしたヤギの観光牧場について、かつらおファームの専務、会津勉さんにお話を伺いました。

かつらおファームの代表、鎌田務さんは3歳から葛尾村で育ち、41歳から養豚業を営んでいました。原発事故に見舞われて村は一時全村避難となりましたが、震災後1ヶ月間、村に残って600頭の子豚の世話を続け、全頭を安全な場所に出荷したのを最後に廃業。2016年の避難指示解除と同時に村へ戻り、行政区長として復興活動に取り組んでいました。

専務の会津さんは東京で都市開発の業務に携わっていましたが、奥様のぜんそくに「ヤギのミルクが良い」と聞いた事から会社を辞めて栃木県那須塩原市でヤギ牧場の経営者へ転身。その後も肌荒れに悩む奥様の為にヤギミルクを使った石鹸を誕生させ、ヤギ乳製品の開発も手がけていました。

2012年に、都市開発の経験が復興の役に立てば幸いと葛尾村に入り、除染事業の説明業務に従事をしていた時に、鎌田さんに出会って意気投合したといいます。2017年、村のバレーボール大会の反省会で「葛尾村に観光地がない」という誰かの呟きを聞いた鎌田さんが「村おこしでヤギ牧場をやれないか」と提案。昔は村のどこの農家でも飼われていたヤギで村に活気を取り戻したい。そんな想いで村の有志でヤギを観光資源にする会社を立上げる事に。畜産の経験豊かな鎌田さんが代表に就き、社員はヤギの飼い方の勉強会を重ねました。

会津さんはヤギ牧場を栃木県から葛尾村に移転し、昨年には観光牧場がオープンする予定でしたが、新型感染症の影響で延期。感染対策などの準備期間を経て、「今年やっとお客様を迎えることが出来ましたと」鎌田さんは胸をなでおろします。

那須塩原からやってきた30頭が繁殖して現在は80頭に。将来は更に増やして生産乳の増量とヤギ肉の安定出荷も計画中。「子供も大人も楽しめる牧場です。子ヤギの哺乳体験に加え、今年の夏からはヤギの乳搾り体験や石鹸作り体験、ジャガイモ掘り体験も予定しています。来年はチーズも作りたいし、ヤギミルクジェラートの他にもカフェメニューを増やしたいですね」と笑う会津さん。

「お世話になった村に恩返しをしたい。ヤギとのふれあいで子供達が喜ぶ声を村に響かせたい」という鎌田さん。引用して名付けた童話のように、たくさんの子供達に愛される牧場を作りたい。そんな願いの詰まった牧場「がらがらどん」で、ヤギ達に癒されてみませんか。

■かつらおヤギ広場 がらがらどん
双葉郡葛尾村上野川字東34
TEL 0240-23-6614
入場料/大人200円 小学生以下100円
営業時間9:30〜16:00 休園日/火曜日
https://www.katsuraoyagi.co.jp/



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