10月10日、富岡町文化交流センター「学びの森」にて「第二回富岡太鼓まつり」が開催されました。さくらYOSAKOI天花のよさこい演舞や仙台市の青空応援団、双葉町の標葉せんだん太鼓、相馬野馬追太鼓、會津田島太鼓など、7団体によるステージが催され、定員を半分にして感染症対策をした大ホールに来場した250人の観客を沸かせました。主催は富岡町の太鼓団体で構成された「team風童」。その中心団体「小風菫太鼓」の二代目会長・榎内隆大さんにお話を伺いました。
編:今から25年前に富岡町小浜地区の小学生で結成された「小浜鼓友会」に参加されていたそうですね。
太鼓を指導していた父の榎内正和にくっついて4歳から参加していました。中学2年からは中学生以上で結成した「小浜風章太鼓」に加入して、地域のお祭りや介護施設で演奏をしていました。
震災の津波で和太鼓13台を全て流され、原発事故による全町民の避難勧告でメンバーも散り散りに。そんな中で悲しい、辛いという声しか聞こえなくなってしまった故郷を、また元の故郷に、活気ある富岡町に、そして被災された全国の皆様に、少しでも太鼓の音で皆の元気と勇気・活力になれたらという思いで、私と稲元暁大の二人で再起を誓いました。
他の団体から太鼓を借りて曲をつくり、2012年にいわき市でステ—ジに立ちました。各地の仮設住宅やお祭りでの演奏を重ねるうちにメンバ—も増え、現在のメンバーは7人。和太鼓も各方面から協力をいただいて震災前と同じ台数まで揃える事ができました
編:2017年4月、富岡町は一部を除いて避難指示が解除され、翌年には町内で富岡小中学校が再開しましたね。
私達の演奏を聞いた教育委員会や先生方から「子供達に太鼓を教えて欲しい」とお声をいただき、父が毎週いわき市から通って富岡小中学校で太鼓を指導しています。将来の富岡町を支えていく子ども達と一緒に地元の伝統を守っていく事も、私たちの使命だと思っています。
編:お子さんの一颯君も、しっかり腕が上がっていて力強く素晴らしい演奏でした。
私が叩いてる姿を見て、いつの間にか叩き方や構えやリズムを覚え、息子自身が皆と叩きたいと希望したので毎日練習して今回の演奏に参加させました。私の幼い頃と同じですね。
小浜鼓友会の頃から私は、父と一緒に何かをするのがとても好きでした。会を作り、指導、作曲全てを担う父に対する尊敬の気持ちは、その頃から今でも変わりません。小浜風菫太鼓では父と共に演奏する事が私の1番の楽しみでしたが、2年前に父が病気を患い打方を引退したのが、とても残念で寂しいです。いつかまた一緒に演奏できる日を願っています。父は私にとって今も偉大な存在で、目標であり、同時に親友のような存在。太鼓の道に私を導いてくれた父に感謝しています。
私達はこれからも地域のお祭りや学校、施設等での様々なイベントでの演奏、太鼓教室を通して皆さんに元気と活力をお届けして、富岡町の復興、再生に少しでも力添えできればと思っています。
メンバー募集中
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