エリア相南相双・トライカウンティーの情報誌WEB i-いんふぉ
passion
「楽しい事」は自分達で作る!
浜通りを映画・ドラマのロケ地に。

〜一般社団法人 相双フィルムコミッション〜


中央が代表の根本さん。スタッフの秋元さんと馬場さんと共に。

2023年2月、根本李安奈さんを中心に地域住民3人が「相双フィルムコミッション」を設立し、昨年末から大熊町を拠点として活動しています。フィルムコミッションとは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーション撮影を誘致・支援する非営利団体や自治体部署のこと。地域を活性化させ、撮影をスムーズに進めるための橋渡し的なサポートを行います。代表を務める根本さんにお話を伺いました。

 中学生まで南相馬市小高区で暮らしていて、衛星放送で映画を観るのが好きなこどもでした。卒業式の日に大震災に遭い相馬市へ避難、その後日本大学芸術学部で映画制作を学びました。卒業後は東京で広告会社に勤め、大きなイベントの運営などの経験も積みましたが、コロナ禍になって思うように動けず行き詰まりを感じていました。
 「地方と関わって活性化のお手伝いをしてみたい」という気持ちでいくつかの自治体を調べていたら小高区を拠点に起業を応援する小高ワーカーズベースさんと繋がって、2021年に帰郷。自分が学んできた映画や映像の力で地元を元気に出来たら楽しいかも、というのはずっと考えていて、私のお爺ちゃん世代が1979年の映画「戦国自衛隊」で南相馬市がロケ地になった事を今でも楽しそうに話しているのを聞いて映画の制作サイドと地元を結ぶ仕事をしようと思いました。

 フィルムコミッションの活動には地域自治体の協力が欠かせません。4月には相双地域の14市町村が地方公共団体会員として加入し、各自治体でのロケーション撮影の受入れ体制が整いました。相双地域には山や海などの豊かな自然に加えて馬と、馬を扱える人がいます。震災後まだ充分に人が戻っていない場所は撮影の映り込みを最小限にできるというメリットになります。かつて避難指示区域だったエリアの公共施設では改装が済んでいたり新しい建物が建てられていたり、一方でまだ地震の被害が残っている所もあり、様々なシーンに使えそうな場所がたくさんあります。相双地域を映画やドラマのロケ地として紹介する事で、遠くへ避難した人や県外、海外の人達に「福島県浜通りのいま」を伝える事も、私達の使命のひとつと考えています。
 ロケ地情報の収集と撮影団体への紹介の他に、撮影スタッフとキャスト達の待機場や宿泊、食事、現地エキストラの手配も私達の役割です。特に宿泊と食事は大きな経済効果を生み出してくれますが、それ以上に「俳優さんが近くの旅館に泊まった」「俺の店で食事をした」「自分がエキストラで一瞬映った」という経験は関わった地元の人達の心にいつまでも「お祭の思い出」のように残っていくと思います。そんな楽しい思い出をこれからも地域の皆さんと一緒に沢山作って行きたいですね。




WEBSITE

https://sosofc.jp


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